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05.17  
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「ジャンゴ 繋がれざる者」(2012)クエンティン・タランティーノ

舞台は1859年アメリカ南部。解放された黒人奴隷と賞金稼ぎが、暴れまくる西部(南部?)劇エンタメです。こういうテーマ、「白人が黒人奴隷へどれだけ酷いことをしてきたか」という映画はほとんど作られていないらしいんですが、これがまあみごとな娯楽作品になっていて、やっぱりタランティーノは並みじゃないな、んで本当にこの人は映画のことが大好きなんだな、と思わされました。

主人公の解放奴隷が、指名手配犯を捕まえながらガンマンとしての腕を上げていき、奴隷市場で生き別れとなった妻を奪還する、というはなしです。こういう構造ですので、まあ痛快なわけですね。悪い奴をバンバン殺していく。いくらでも重く出来るテーマですが、「社会派」にしないところがイイんです。ヒーローモノですね。とにかくカッコいい。

あまり内容に触れず「イイネ!」と思ったところをシンプルに書きますが、奴隷農園の経営者のレオナルド・ディカプリオの悪党っぷりが凄い。そしてそれを凌駕するようなもう一人の悪党、奴隷頭のサミュエル・L・ジャクソンのワルっぷりも、笑っちゃうほど凄い。この2人の芝居を見るだけで、この映画を観る価値があるともいえます。とてつない演技派ですよホントに。

B級映画へのオマージュ、リスペクト、敬愛を自分の作品で表現し続けているのがタランティーノという人で、そういうB級っぽい「ケレン味」をふんだんに散りばめた演出をしているわけです。そういうのも、明るくて健全で面白いです。こんなテーマですけどね。奴隷の歴史に関しては、まあこんな作品を作っちゃうということ自体が批評になっていると思います。
ではこのへんで。


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